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英国のベストセラー絵本ピーターラビットとガーデンカフェ
Lunch at PETER RABBIT Garden cafe

世界で愛されているベストセラー絵本、ピーターラビットに今ハマッています。
自由が丘にあるピーターラビットガーデンカフェは英国の湖水地方のコテージを思わせる雰囲気の中で絵本の世界観を感じられるスペース。お花見に最適な週末の土曜日に行ってきました。。ガーデンカフェというだけあってエントランスポーチはグリーンで囲まれています。

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エンランスにはメニューの看板。それぞれがピーターラビットの絵本の世界観を形にしているので迷うばかり。


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おなじみのピーターラビットの絵が描かれた看板

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この日はびっくりするほど混んでいました。通されたのは青いチェックのテーブルクロスのテラス席。メニューもカワイイしウエイトレスさんの姿もかわいらしい。

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Sleepy Salad Garden Plate with The Pie…Is it Peter Rabbit's Father?~
ピーターラビットのお父さん?のパイとねむねむサラダのガーデンプレート
店員さんに勧められて選んだピーターラビットガーデンカフェ6周年スペシャルメニューは英語も日本語もちょっとユニークなネーミング。これには意味があって。ピータラーラビットのお父さんがパイにされてしまったというお話からきています。パイも耳のデザイン。

サラダにも仕掛けがあってドレッシングをかけるとモクモクと煙が立ちあがり、ちょっとしたサプライズ。
ところでパイを食べ始めて気づいたのだけれど私はイギリスのパイが苦手だった!ローストビーフとサイドメニューで頼んだラケルのパンは美味しかったけれど。素直に大好きなコテージパイを頼めばよかった!(コテージパイとはひき肉とマッシュポテトで焼き上げるイギリスの家庭料理)ここではリビーのコテージパイと称して、リビーという猫のイラストが施されています。リビーについてはこの記事最後の方のThe Tale of Pie ...のところを参照してくださいね。


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食後のドリンクはピーターラビットのラテアートが施されたカフェラテ。カップもカワイイね。

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店内のお席はペールブルーの壁に温かい家具がマッチしてピーターラビットの世界。

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レジ前にはお土産用の小物が陳列されています。今回はお食事代3000円以上お買い上げでピーターラビットの記念マグカップがもらえるというので足りない分をメモ用紙を買って記念マグカップをゲット!

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さて、ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターについて簡単に説明を
1866年、裕福な家庭に生まれ、厳格な両親によって育ったポターは学校には行かず、ほとんど弟のルパートと育ちましたが、子供の頃から飼っている動物をスケッチするなど絵を描くことが好きでした。(弟は画家になっています)ポターは家族とともに毎年湖水地方を訪れるうちに美しい自然を愛し、やがて「ピーターラビット」を生み出すようになったのです。

私はピーターラビットは知っていましたが、興味がなかったのにたまたま図書館で借りたことでイギリスらしさや温かい絵に惹かれ、ついにはピーターラビット洋書版全23巻買ってしまいました。(Amazonで購入。FREDERICK WARNE)

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お話をいつくか紹介します。ネタバレ注意!
The Tale of Peter Rabbit 
ピーターラビットのおはなし
一番有名なピーターラビットのお話。4匹の小さなうさぎとお母さんうさぎのお話です。いたずら好きのピーターラビットがマグレガーさんの畑に入ってとらわれそうになったのを危機一髪で逃げて家に帰れたというお話。ちなみにピーターラビットのお父さんはマグレガーさんの奥さんにパイにされてしまったとのことですよ。

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The Tale of Gloucester
グロースターの仕立て屋
このお話はグロースターに実在した若い仕立て屋の話から生まれました。ある日、グロースターの市長の上着とチョッキを作っていた仕立て屋がテーブルの上に裁断してまだ縫い終えていない布をひろげたままに家へ帰ったところ、翌朝上着とチョッキが仕上がっていたという。これが元となってクリスマスの日、貧しい仕立て屋が帰った後にねずみたちが市長の上着とチョッキを見事に仕上げてくれて、ねずみが好物の飼い猫も心を悔い改め、仕立て屋もリッチになったという心あたたまるお話となりました。

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仕事場のイラスト。なんとも懐かしい古きイギリスの家の作り。

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ねずみを探す飼い猫のシンプソン。(ティーカップの下にねずみを隠していました)食器棚もモデルがあり、スケッチした絵を忠実に描いています。

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仕立て屋はすばらしい上着とチョッキをみて感激しました。ポターは実際に現在のビクトリア・アルバート博物館で18世紀の衣装をスケッチして参考にしたようです。

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The Tale of Tom Kitten
こねこのトムのおはなし
3匹の子ねことお母さん、タビタがお茶にお友達を招くことでとんだパプニング


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お客様が来るので準備をしている間に子ネコたちによそゆきの服を着せて汚さないように外に出しました。

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ステキな服を着せた子ネコたちを見送るお母さんねこ。この後いたずらをして洋風が全部とれてしまい、大変なことになってしまいました。このイラストのモデルとなったのは実際にポターが購入した湖水地方のニアソーリー村のヒルトップです。植えたお花がキレイですね。それにしてもお母さんねこのやさしい表情と子ネコたちのいたずらな表情がいい!私はうさぎのピータラーラビットより、猫を扱ったお話のほうが好きです。


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The Tale of Samuel Whiskers
ひげのサムエル
子ねこのトムがネズミの住んでいる隠れ部屋に迷い込んだお話。


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ヒルトップの煙突からねずみのいる隠れ部屋に迷い込んだ子ネコのトムを必死に探すお母さんねこのタビタ。ここの踊り場は忠実に描かれています。ポターはアンティークを収集していて調度品もセンスの良い上等なものばかり。
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いとこのリビーがやって来ました。描かれているのはヒルトップの玄関。重厚なステキなドアですね。


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暖炉の前で涙を拭きながら事情を話すタビタ。二人のねこたちはともにトムを探しにいきます。(当時、暖炉は友人と過ごす居心地の良い場所でした)
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その頃、ひげのサムエルと奥さんのアナ・マライアはトムをに夕食に、イギリス伝統菓子のローリーポーリープディング(ねこ巻きだんご)にしようとします。このお話にもとづいたお菓子は有名ですね。どんな味なのかしら?

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大工のジョンも助けにはいり、トムは無事に助け出されました。体を包んでいた練り粉ははがされ、お風呂で体を洗われたトム。恩人のジョンに夕食に誘いますが、用事があると帰っていきました。

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The Tale of The Pie and The Patty-Pan
パイがふたつあったおはなし
ねこのリビーが犬のダッチェスをお茶会に招待しますが、ねずみのパイを食べたくないダッチェスがドタバタ騒動をおこすお話。ソーリー村に実在する家は庭が描かれ、私が一番好きなお話。

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"Come in good time, my Dear Duchess,"said Ribby's letter, "and we will have something so very nice...
リビーの招待状を受けとる黒毛がキレイなダッチェス。(ポメラニアンがモデル。愛くるしい!ちなみにバックルイートの前庭が描かれています)招待状には、ピンクのふちどりのパイ皿でおいしいパイをごちそうしますと書いてありますが、ダッチェスは食べたくないねずみのパイではないかと不安になります。

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ねずみのパイをオーブンの下段に入れるビリー。(水色の服を着たビリーの後ろ姿がカワイイ。オーブンや水さしなどはヒルトップのビアトリスの家でスケッチしたもの。なんともイギリスらしい雰囲気がたまりません)ダッチェスは同じピンクのパイ皿に仔牛のパイをつくり、ふっくら焼きあがるように小さな焼き型を入れました。ねずみのパイとすり替えるためにビリーの家に忍びこみますが、ねずみのパイが見つからず、オーブンの上段に入れておきました。

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優雅なお茶会の場面。ホストのビリーはお部屋をキレイに整え、とっておきのティーセットを並べます。ティーカップはピンクローズの柄でディナープレートはブルー&ホワイト。伝統的なイギリスのアフタヌーンティーですね!(テーブルの上にあるティーポットはエドワード7世の即位記念のもの。ポターはこのポットが気に入っていたらしく、ほかのお話でも登場します。)

結局、お茶会で出されたのはビリーが入れた下段のねずみのパイでした。ダッチェスは自分が上段に入れた仔牛のパイだと思い込み、焼き型がないことに気づき飲みこんでしまったと大騒ぎ。ダッチェスは気分が悪くなり、リビーが医者を呼んでくる間にオーブンからの音で自分の仔牛のパイが焼きあがったことでねずみのパイを食べてしまったことに気づきますが、焼き型を飲みこむよりマシだったと思います。自分のしたことで気まりがわるくなり、パイ皿を裏庭に隠します。

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ダッチェスが逃げるように裏庭にパイをとりにくとワタリガラスが食べ散らかした後でした。家に逃げ帰るダッチェス。後からパイ皿と焼き型を発見して困惑するビリー。一連の大騒ぎにうんざりして、今度お茶会するときはいとこのタビタを呼ぼうと決意するのでした。

ダッチェス、リビーは表面上は仲良く上品にふるまっていますが、本音と建て前が描かれ、こっけいなやりとりとなっています。当時、友人と午後のお茶会をするのは女性のたしなみでした。きちんと正装して高価な陶磁器、銀食器、テーブルクロスで迎えるお茶会で何度も耳にした会話がもととなって上流社会を皮肉るお話となりました。

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このようにピーターラビットのシリーズはするどい人間観察と風刺的な部分もあり、子供のための絵本にとどまりません。自分の住んでいる湖水地方を舞台に忠実に描かれた家々や風景。動物たちの表情の豊かさ。そして何よりもポターの圧倒的な画力。やさしい色使いで温かさがあります。何度見ても読んでも飽きません。

日本語版は福音館書店から出ています。手のひらサイズで丁寧に仕上げられたこの絵本は間違いなく家宝となるでしょう!




# by peketa2013 | 2021-05-14 22:09 | イギリス | Comments(0)

田渕由美子展に行ってきました。

先月このブログで紹介した田渕由美子の展示会に行ってきました。
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レトロ漫画 田渕由美子展のお知らせ
洋風なモノへの憧れの原点は少女マンガ!?


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根津駅から徒歩数分、東大の近くにひっそりと佇む小さな弥生美術館。懐かしい。2009年に一度訪れたことがあります。その時は明治41年創刊のレトロ少女マンガの「少女の友」の創刊100周年の展示会でした。これもなかなか見ごたえありました。今度記事に書きます。

さて話を戻すとこの日は学生時代の女友達と行ってきました。彼女は私ほど田淵由美子先生のマンガにハマッていたわけではないのですが、興味があるということで一緒に来てくれました。さすがにここへは男性同伴では行きづらいし、そもそも興味のない人を連れてきてはこちらも楽しめないので、良かったです。
中に入ると、年齢層が私たちと同じくらい?の女性がパラパラ。

田渕由美子のロマンティックワールドの世界。やさしいタッチ。繊細で甘くて夢いっぱい広がっています。私が読んでいた時期はたった2年間ぐらいだったので、興味はそこに集中します。特に代表作であり私が大好きな大学キャンパスが舞台の「フランス窓便り」の展示品にはテンションあがりました。ひとつ面白かったのが、田淵由美子先生のコメントが寄せられていて、「W大学:早稲田大学に行けばこのようなステキな男子がいるように思ってしまった人には罪深いことをしたと思う」的なことが書いてありました。ウケました!私もそう思っていた!

りぼんの懐かしい現物や数々の付録などを何十年かぶりに目にして当時を思い出してキュンキュンしました。
田淵由美子ファンの方は必見です。

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ついでと言っては失礼ですが、竹久夢二美術館も寄ってきましたよ。
私たちはこのあと、ランチやお茶をしながらいつもの通りに熱いトークを何時間も楽しみました。


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# by peketa2013 | 2021-03-16 17:19 | 映画・ドラマ・歌・本 | Comments(0)

一期一会ならぬ一日一絵

一日一絵を実践すること
昨日、マンガ家の田渕由美子先生のことを書いたばかりですが、
最近心に決めたこと。一期一会ならぬ一日一絵。一日に1枚、絵(イラスト)を描くこと。

私がよく拝読させていただいているブログにこれからの時代は自分の得意なこと、好きなことをやり続けるのがいい。と書いてありました。

何が得意だか好きだかわからない場合は次のようなことを考えてみる
努力なしで上手にできてしまうもの。
よく他人に褒められたり頼まれること。
小さな頃に好きだったこと、など。

私は世にも珍しいぐらい不器用で謙遜でなく本当に特技がないのです。得意なことはないけれど好きなことはたくさんあります。ありすぎて時間がないほど。

英語・英会話
イギリス全般(旅行含めて)
クラシックなホテル・建物・レストランを訪れる
写真を撮ること
ブログ・インスタ
レトロカフェ巡り
紅茶をいれる・飲む
読書(和書・洋書)
もう書ききれません。

英語は一応現役で仕事をしているのである程度できますが、別にずば抜けたスキルがあるわけではない。しかも最近サボリ気味で新しい単語を覚えていない。(明日からもっと学習しないとね)

マンガが好きだった小学校時代
で、子供の頃に好きだったことを考えてみると。そうだ、マンガを描くことだった!小学生の頃はマンガが大好きで「りぼん」や「少女フレンド」などあらゆる少女マンガ雑誌を読んで自分でもマンガをストーリーを作って描いていたっけ。誰にも見せないのに「登場人物のご紹介」や「次号をお楽しみに」などと書いていた。今思えば親は見ていたのでしょうけれど。

中学生になった途端、「りぼん」の定期購読を親に止められ、「中一時代」にとって代わってしまい、マンガは一切読まない、描かない。私のマンガは小学校で終わりました。中学生になった時に油絵のクラブに入りたいと親に言ったら、汚れるからダメだと言われ、すんなりあきらめて何も汚すことのない百人一首クラブに行きました。自分の意志を通さない、言われたままのお馬鹿さんでしたね。

教科書にもイラストばかり描いていた
けれど絵を描くことは好きで、授業中はいつも教科書にイラストばかり描いていました。最近、友達に私が友達の教科書にもイラストを描いていたことを聞かされ、とんでもない奴だったと猛省しております。特に世界史や日本史の教科書は分厚いので、パラパラ漫画を描いていました。一番気に入った自作のパラパラ漫画はフレンチレストランでコース料理を食べるところ。ナイフとフォークの動きがなかなか良かったのを覚えています。あ~あ、ちゃんと勉強していたら今頃違う人生だったかも?

こんなダメダメ少女でしたが、大人になってもたまにイラストを描いたりしていましたが、ここ10年くらい全く描いていなくて。
ちょっとまた描いてみようと思ったところ、ほぼ10年前に買って宝の持ち腐れとなっていたドイツ製FABER CASTELLの色鉛筆が出てきました。プロも使っている有名なメーカーで万単位の価格だった気がします。当時思い切って買ったのに一度も使用せずに月日が経って今はじめて使いはじめた。捨てないで良かった。ご縁を感じます。


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一日一絵
ということで最近は絵をよく描いています。時間がある時はきちんと丁寧に。ない時も一日一絵を描こうと絵日記風に描いています。(たくさん描けばちょっとは上手くなると期待して)
うーん、やはり才能はゼロです。(笑)絵の才能には観察力、記憶力、空間認知能力などが重要になってくるそうです。
全部なし!不器用で面倒くさがり屋という性格も致命的。中学の時の通信簿を発見して美術?図工?が5(5段階で)だったことがわかってへーえと思ったけれど、よく先生に隅まで色を塗るようにと言われた記憶があります。ダメね。よく5をとれたもんだ!もちろん、高校に入ったら3に落ちました。これが正しい評価!

けれどイラストを描くのはとても楽しいので続けていこうと思っています。そうそう、最近塗り絵ブームらしいですね。あの浅田真央ちゃんもやっているとか。おうち時間が増えたせいか?絵を描くことは癒しにもつながると聞いたことがあります。皆さんも絵を描いてみませんか?


# by peketa2013 | 2021-02-08 00:00 | 映画・ドラマ・歌・本 | Comments(0)

乙女チックな田渕由美子の世界 - 田渕由美子展のお知らせ
Yumiko Tabuchi Exhibition at YAYOI MUSEUM
少女マンガ雑誌「りぼん」で、1970年代後半の乙女チックマンガのブームの中で中心的存在として活躍していた田渕由美子先生。(私も大好きだったマンガ家で以前記事に書いています。よろしければ→洋風なモノへの憧れの原点は少女マンガ!? )この度デビュー50周年を迎え、初めての展覧会を弥生美術館(東京都文京区)で開くとのこと。
弥生美術館 会期は2月11日から6月6日までです。予約制なのでご注意を。

私は絶対行きたいと思っています。行って来たら感想など報告します。

知らない方のために田渕由美子先生を簡単にご紹介。
1970年代に人気少女マンガ雑誌「りぼん」で少女のさわやかな恋の物語を掲載。繊細なタッチで描く天然でドジな主人公はクリクリした大きな瞳にカールした髪が印象的。小花模様のワンピースが似合う。物語はわりとワンパターンで天然でドジでマヌケな主人公がなぜかイケメンのさわやかな長髪男子と結ばれるというシンデレラストーリー。いつも二人の恋が実ってこれからつきあっていく...というところでハッピーエンド。脇役にはロングヘアの知的美人や男まさりな女友達が登場。

そこで描かれるのが当時としては突出したロマンティックな世界。出窓のある白い洋館にフローリングの床やアーリーアメリカン調のインテリアに輸入雑貨。ジャムの瓶などが飾られたオシャレなカップボード。お家でのティータイムには美しいティーカップがシュガーポットとともにティートレーで運ばれてくる完成度の高さ。ハイビスカスティーも登場しちゃいますよ!1970年代後半の当時の一般的な日本人の暮らしとはかけ離れた洋風のロマンティックな世界観は少女を虜にしました。

下記は前回も紹介した集英社文庫 田渕由美子作品集1フランス窓便りから

私はこれらの要素がぎっしり詰まったこの「フランス窓便り」が一番好きです。田渕由美子先生の代表作です。


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ドジでカワイイ杏と知的美女の詮サマ、男まさりの苗子。おなじみのキャラ3点セット。
私は自分が天然で杏タイプだったので、だんぜん詮サマが好き!いまだに憧れのキャラとなっております。ウフフ。夢見る少女に定年はありません!キリッ!

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そしてこれが主人公の恋の相手。イケメン、繊細な男子。永遠の憧れですね。

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こんな乙女チックなマンガを当時学生だった田渕由美子先生は古い、共同トイレ・お風呂なしの四畳半のアパートで描いていたというから信じられません。Wikipediaによると田渕由美子先生は兵庫県出身で早稲田大学文学部に入学し上京後に執筆活動を始め、洋風インテリアのアイデアは赤毛のアンケイト・グリーナウェイ(イギリス・ヴィクトリア朝時代の挿絵画家)の本から得ていたのだそうです。

当時、小学生の私が愛読していた「りぼん」は大多数が中学生や高校生の学園生活が舞台だったのに対し(一条ゆかり先生は除く)大学生が舞台設定というのが大人っぽい感じがして大学のキャンパスライフに対する憧れを持ちました。
「りぼん」に大学生を登場させ、夢のキャンパスライフを洋風でとびきりオシャレな雰囲気で描いた点でかなりの独自性、オリジナリティがあったといえます。いまだに時々田渕由美子先生のマンガを読みかえすのですが、ちょっと知的な学生の雰囲気が漂うのはなぜだろうと思っていたけれど、今回Wikiで先生が早稲田大学文学部卒業と知って納得しました!

知的で甘くロマンティックで心が温まるやさしいマンガ。何十年経った今でも決して色褪せることのない田渕由美子の世界。興味がある方はぜひ展覧会に足を運んでくださいね!

# by peketa2013 | 2021-02-07 17:43 | 映画・ドラマ・歌・本 | Comments(0)